春場所 9日目

白鵬

休場明けの白鵬は、難なく49度目の全勝ターン。
阿炎が喉輪攻めをしてきた右腕をうまく取って仕留め、「体が非常に動いている。阿炎関も立ち合いが速かったし、手の伸びも良かった」。
余裕たっぷりに相手も褒めた。
取りこぼさずに後半戦へ。
「今場所は一番一番と心掛けている。それができたのかな。残り1週間もまた一番一番」と上機嫌に言った。

貴景勝

貴景勝が北勝富士との激しい一番を制した。
まともに引く場面もあったが、左からいなして相手を崩すと、勝機を逃さずに押し出した。
「向こうも気持ちで取るタイプ。ちょっとしたことで白黒が変わる」と振り返った。
ただ一人の大関として臨む今場所は3敗で折り返し。
「実力が足りないが、それは場所後に見詰め直す。今はあしたの相手ことで頭がいっぱい」と9日目の豊山戦に目を向けた。

朝乃山

大関昇進を狙う朝乃山が2敗目を喫した。
同学年の豊山に右差しを封じられ、最後はすくい投げで転がされた。
よほど悔しかったのだろう。帰り際は険しい表情で、報道陣の問い掛けには応じなかった。
大関昇進の目安とされる直近3場所計33勝には12勝が必要。横綱、大関戦が残る今後を考えれば痛い黒星となった。

豊山

豊山がライバル意識をむき出しにした。
同じ26歳の朝乃山は学生時代から意識してきた存在。
大関昇進が懸かる相手を土俵に転がし、「気持ちよかった。時の人だから」。
支度部屋に戻ると、思わずガッツポーズが出た。
突いて距離を取り、左からはおっつけも繰り出した。
「右を使わせないように。ずっと練っていた」。得意の形になれなかった朝乃山がたまらず引いたところを逃さずに攻め、最後は左からすくって仕留めた。
ともに三段目付け出しで2016年春場所デビュー。
新十両、新入幕と先に昇進したが、左肘や左足首のけがなどで失速。
朝乃山が初優勝を遂げた昨年夏場所では自身は十両だった。「昨年5月から、こうやって取ることをずっと考えていた。苦い思い出も少しは報われたのかな」。
2年ぶりの対戦に燃えるものがあった。
先場所で11勝。
今場所は三役昇進を目標に掲げながら黒星先行の苦しい状況。
連敗を4で止め、「これをきっかけにしなきゃいけない」。
好敵手から挙げた3勝目で、気分はぐっと上がった。

炎鵬

立ち合いで大きく左に飛ぶなど、阿武咲に動き勝つ。
「立ち合いはきょうの朝に決めた。一日一番、自分のできることをやらなければ」

隆の勝

実力者の妙義龍を破り、自己最速での勝ち越しに王手。
「自信になる。この調子で白星を重ねていければ」と意欲十分。

栃煌山

2017年九州場所以来の初日から8連敗。
「徐々に良くなってきている。一番一番しっかり勝てるようにやっていきたい」と前を向く。

千代丸

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため無観客で開催している大相撲春場所8日目の15日、西前頭15枚目の千代丸(28)=本名木下一樹、鹿児島県出身、九重部屋=が発熱で休場した。
日本相撲協会の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)によると、14日夕に38・6度の熱があり、15日朝には39・7度まで上がったという。
鏡山部長は師匠の九重親方(元大関千代大海)に対し、千代丸を病院で受診させ、大阪市東住吉区の部屋宿舎では他の力士らから隔離するよう指示した。
相撲協会は力士ら協会員に新型コロナウイルスの感染者が出た場合、即座に今場所を中止する方針。

琴ノ若

新入幕で6勝目。
「あまり緊張せずに思い切って取れている。勝ち越すまでは星数は意識しないようにしたい」と引き締まった表情で。

9日目の見どころ

大相撲春場所は9日目、16日から後半戦です。
初日からただ1人8連勝で勝ち越しを決めた横綱 白鵬は、平幕の竜電と対戦します。
観客を入れずに行われている大相撲春場所は、休場明けの横綱 白鵬が日ごとに調子を上げ、ただ1人初日から8連勝と勝ち越しを決めました。
白鵬は16日、前頭5枚目の竜電と対戦します。
過去の対戦は2回でいずれも白鵬が勝っています。
ともに四つ相撲が得意ですが白鵬が左の上手を取れば優位は揺るぎません。
竜電としては、白鵬に上手を許さず先にまわしを取って勝機を見いだしたいところです。
大関昇進がかかる関脇・朝乃山は15日黒星を喫し、2敗となりました。
16日は同じ関脇の正代との対戦です。
過去の対戦成績は、朝乃山が2勝3敗ときっ抗していて、ここ2場所では正代が続けて勝っています。
2人は右の相四つで、連敗は避けたい朝乃山としては、立ち合いから圧力をかけて得意の左上手を取りたいところです。
正代としては、相手に上手を取らせず距離を取りながら前に出る相撲を展開したいところです。
このほか1敗で追う隆の勝は玉鷲と、同じく1敗の碧山は、千代大龍とそれぞれ対戦します。

張本勲氏

野球評論家の張本勲氏が15日、TBS系「サンデーモーニング」で、無観客で開催されている大相撲に言及。
懸賞金が出ていることに「文句いいたいのは賞金なんか出さないほうがいい」と持論を述べた。
優勝争いについて解説した後、新型コロナウイルスの感染拡大による無観客での雰囲気に「砂漠のなかでやっているみたい。ちょっと違和感ありましたから幕でも張ってくれたら良かったけど」と感想。
そして懸賞金について自ら話題を切り出し、「今の時期、賞金、お金のやり取りしちゃダメよ。企業のPRのために、関係者が土俵のまわり回っちゃだめよ。反感を買いますよ」とした。
「幕内の上位は力士は給料高いから、ひと場所くらい賞金なくてもいいんですよ。ましてや協会はばく大な貯蓄があるんだから」と張本氏。
進行役の関口宏が「私はそこまでよく分かりませんが…」と次の話題に移ろうしたが、「まだ終わってないから話は。最後まで聞きなさいよ。本当は喝を入れたいんですよ。厳正粛々、最後までやってもらいたい」ともの申した。
関口宏は「張さんの意見として聞いておきます」と語り、次の話題へ切り替えた。

千代鳳

大相撲春場所8日目の15日、西前頭15枚目の千代丸(28=九重)が発熱のため休場した。
日本相撲協会の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)によると、千代丸は14日夜に38度6分の熱を出し、この日朝に39度7分の高熱を出したという。
午前中にインフルエンザ検査を受けたが、16日にも病院に行き検査を受けるとした。
十両以上の休場者は4人目だが、発熱による休場は初となった。
力士らは今場所、朝と夜の検温が義務づけられており、37度5分以上の発熱が2日続くと原則的に休場となっている。
しかし朝の検温を基準としているため、千代丸は該当しないとの認識を示した。
弟で十両の千代鳳は「昨日は元気だった。今朝は『体はすごく元気だけど熱がある』と言っていた。
ちょっと休んだらケロッと土俵に立つと思う」と話した。
また同部長は、同7日目の14日に38度ほどの熱を出して休場した幕下以下の力士が、平熱に下がったことも明かした。
相撲協会は力士ら協会員に新型コロナウイルスの感染者が出た場合、即座に今場所を中止する方針を示している。

大相撲春場所

まるで、かつてのサイレント映画でも見ているよう。
新型コロナウイルス対策のため“無観客開催”となった大相撲春場所が、3月8日から大阪市のエディオンアリーナ大阪で始まった。
大相撲観戦といえば、着飾ってマス席に陣取り、飲んで食って歓声を上げ、拍手を送る、というのが当たり前の光景だ。
しかし、それらがすべてなくなったのだから、まさに異様としか言いようがない。
「初日の大阪の朝はあいにくの雨で、ただでさえ人通りが少なかったのですが、正面玄関の入り口は固く閉ざされたまま。華やかな力士ののぼりも、にぎやかな寄せ太鼓もなく、事情を知らない人が表を通りかかっても、中で何が行われているか分からなかったんじゃないでしょうか。力士たちも裏口からこっそり入場し、全員マスク姿。あれでは、誰が誰だか分かりません。『そんなにまでして開催しなければいけなかったのか』とクビをひねる関係者もいました」
力士たちにとっても戸惑いの連続だった。
ファンの熱気や歓声、「ヨイショッ」という掛け声もないまま横綱土俵入りを行った鶴竜は、苦笑しきりだ。
「ここで拍手が来るかなと思ったところで掛け声もなく、(所作を)間違っているかと思った。こんな感覚の土俵入りは初めてです」
この“沈黙禍”は、人気者ほど大きかった。
いつも館内が割れんばかりの拍手や歓声に背中を押されて土俵に上がる炎鵬は、この心強い味方がないのに戸惑った1人で、初日、御嶽海に全くいいところなく敗れて黒星スタート。
「闘争心というか、アドレナリンが出なかったですね。何のために闘っているか、答えが見つけられなかった」
そう言って肩を落としていた。
関西出身で、いつもの春場所なら大声援が送られる大関の貴景勝も大きな違和感を抱いたようで、神妙な面持ちだった。
「あらためて歓声のありがたさが分かった。お客さんも大相撲を作ってくれている」
これでは、なかなか番狂わせも起こらない。
先場所、幕尻優勝をした徳勝龍も初日は完敗。八角理事長は協会あいさつで、次のような誓いを立てた。
「世界中に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるように努力する」
果たして、こんな状態でそれが達成できるのか。力士の反応を見る限り、簡単なことではなさそうだ。

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