春場所 7日目

白鵬

豊山を一方的に寄り切り、「前に出られているし、流れも良い」。
7日目の御嶽海との全勝対決にも「まあ、一日一番ですね」と泰然。

鶴竜

初顔の徳勝龍に不覚。
左四つで完敗し「自分から組みにいったし、想定していたけど、あれよあれよという感じだった」と苦笑い。

貴景勝

貴景勝は炎鵬をもぐり込ませず、よく見て突き出した。
得意とする距離をしっかりと保ち、「そうすれば、勝つ確率が上がってくる。一生懸命にやった」と振り返った。
3日ぶりに勝ち名乗りを受け、星は五分に。
「相手のことを考えるより、自分がきちっとした相撲を取っていくということ。きのうも、おとといも一生懸命やった結果。負けたら負けたで、自分が納得すればいい」と落ち着いた口調で言った。

朝乃山

新型コロナウイルスの感染拡大で史上初の無観客開催となった大相撲春場所は13日、大阪・エディオンアリーナ大阪で6日目が行われ、大関獲りに挑む関脇・朝乃山は難敵・御嶽海との全勝対決に寄り切りで敗れて初黒星を喫した。
全勝は白鵬、御嶽海、碧山の3人となった。
7日目は白鵬は御嶽海との全勝対決に臨み、朝乃山は遠藤と対戦する。

大栄翔

3連敗から巻き返し、星を五分に戻す。
「良くなってきている。しっかりここからです」と気持ちを新たに。

徳勝龍

初場所で優勝した平幕・徳勝龍が横綱・鶴竜を寄り切り、初めて金星をつかんだ。
15年夏場所の西前頭4枚目を更新する西前頭2枚目の自己最高位で臨む今場所は初日から5連敗。
ようやく出た初日は、年6場所制以降にデビューした力士として史上3位のスロー初金星となった。
全勝は横綱・白鵬、平幕の御嶽海、碧山の3人となった。
横綱を寄り切り、徳勝龍は「ふう~っ」と大きく息を吐いた。
無観客開催のため座布団シャワーも歓声も拍手もない。
淡々と勝ち名乗りを受ける土俵は静かだった。
喜びをのぞかせたのはテレビのインタビュー。
「気合を入れて行くだけでした」などと冷静に答えながら、目を潤ませた。
立ち合いで得意の左を差し、押し込んだ。
相手が負けじと圧力を強めるところをタイミング良く左の下手投げで体勢を入れ替え、一気に勝負を決めた。
逆転の連続だった初場所終盤をほうふつさせた一番。
「左を差せたので思い切りやろうと。(内容は)あまり覚えてないです」。
33歳6カ月の初金星は、年6場所制となった58年以降に初土俵を踏んだ力士では3番目の年長記録となった。
金星よりも初日が出たことを喜ぶ言葉に実感がこもった。
「長かったなあという感じ」。
奈良出身で春場所は準ご当所。
先月22日には近大時代の恩師でプロへの道を開いてくれた伊東勝人監督のお別れの会に出席。
翌23日は近大の後輩と合同稽古で汗を流し、午後に奈良市内で臨んだパレードには約1万人が駆けつけていた。
発奮材料は豊富でも、5年ぶりに更新した自己最高位の西前頭2枚目で初日から5連敗。
明るい性格だが、前日のミックスゾーンでは「また明日」と言葉少なだった。
この日は大ファンであるプロ野球阪神に関する話題で、鳥谷のロッテ移籍について水を向けられ「タテジマはタテジマなので違和感ない。背番号00も格好いい」と笑みを浮かべた。
本領発揮の準備は整ったようだ。
八角理事長(元横綱・北勝海)徳勝龍は左が入って力が出せたんじゃないかな。
鶴竜は上手を取って、頭をつけるまでもないと思ったところを振られた感じだね。

御嶽海

御嶽海が意地を見せた。
朝乃山の右差しを封じて2本差すと休まず下から攻め、「上手は取られたが、我慢して前に出られたのはよかった。きょうの一番は大きい」。
大関昇進を目指す相手に土をつけ、手応え十分に振り返った。
三役の常連も、この2場所は平幕に番付を下げた。
それだけに朝乃山に対しては「いろんな思いがあるし、意識せざるを得ない」と正直に言う。
胸のすくような内容で難敵を破り、7日目は白鵬との全勝対決。
「このまま乗っていけたら」と気をよくしていた。

豪栄道

元関脇・寺尾こと錣山親方が、本場所の見どころや話題の力士について分析する隔月連載。
新型コロナウイルスの影響により、無観客で開催されることになった春場所(3月場所)についての率直な思いを語ってもらうとともに、異例な状況のなかで行なわれる場所での展望を分析してもらった。
3月8日から、大相撲春場所が始まりました。
その直前、世界的規模で蔓延している新型コロナウイルスの影響を重く受け止め、日本相撲協会は春場所の15日間を、無観客で開催することを決定しました。
大阪で開催される一年に一度の春場所。
観戦に行く予定だった方々、全国の大相撲ファンの方々には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
その苦渋の決断のなか、力士たちは土俵上で奮闘。
慣れない環境に苦慮している部分もあると思うのですが、これまで稽古してきたことを糧にして、誰もががんばっています。
ファンのみなさんには、その姿を、テレビを通して見ていただければと思います。
そして、このような世界的な困難に直面し、気分が沈みがちになることも多いかと存じますが、力士たちの激闘を見ていただいて、みなさんがコロナウイルスのことを忘れる時間が少しでもあったらいいな、と思っています。
しかしながら、相撲協会の決定事項としては、力士を含む協会員の中から1人でも感染者が出た場合、場所の途中であっても、開催は中止にする、という状況下にあります。
その分、我々親方衆をはじめ、力士たちは毎日、細心の注意を払って生活しています。
無論、20数名の力士を抱える錣山部屋の師匠である私には、大きな責任があります。
それだけ多くの親御さんから、子どもである力士たちを預かっているわけですからね。
おかけで、誰かが感染被害に遭ってしまわないか、日々心配でなりませんし、私自身はその恐怖感でいっぱいです。
一日中、新型コロナウイルス関連のニュースをチェックして、新しい情報を得ることを心がけているため、ここ数日は、夢の中でもそれらのニュースに振り回されているほどです。
私だけでなく、各部屋の師匠も、不安でたまらないと思います。
とにかく今は、全力士が何事もなく、15日間の相撲を取り切ることを祈るのみです。
さて、この春場所の初日は、白鵬、鶴竜の両横綱に、大関・貴景勝の上位陣がそろって白星。
幸先のいいスタートを切りました。
場所前に行なわれた二所ノ関一門の連合稽古の際には、貴景勝は(初日の相手となる元大関の)高安とは分が悪い印象があったのですが、本場所の取組では、貴景勝の集中力が違いましたね。
押し出しで圧勝。
その強さには、驚かされました。
逆に、初日の相撲で少し硬さが見られたのは、関脇・朝乃山です。
昨年の九州場所(11月場所)で、小結で11勝。
先場所の初場所(1月場所)では、関脇で10勝を挙げて「大関候補」に名乗りを上げた、ということが影響しているかもしれませんね。
ともあれ、大関昇進の基準は「三役で直近3場所33勝」ですから、朝乃山は今場所で12勝すれば、昇進への期待が膨らみます。
硬さが見られた初日も、隠岐の海に何とか勝って、2日目も徳勝龍を下して2連勝。
先の初場所後には、長らく大関を務めてきた豪栄道が引退し、大関は現在、貴景勝ひとりということを考えれば、昇進への追い風は吹いている、と言えるのではないでしょうか。
注目力士と言えば、関脇の正代。
先場所では、千秋楽まで優勝争いに加わり、13勝を挙げて”準優勝”という結果を残しました。
その勢いは本物で、今場所でも要チェックの存在です。
そもそも正代は、東農大2年の時に学生横綱に輝いた実力者。
4年時にビッグタイトルを獲れなかったため、角界入り後は付け出し資格を得られず、前相撲からのスタートだったものの、柔らかい体から右四つで寄っていく相撲は、当時から光っていました。
そうして、順調に出世して、初土俵から11場所で新入幕(2016年初場所)。
その翌年の初場所では三役昇進を果たしています。
ところが、どういうわけか、ここ1、2年ほどはその実力が発揮できておらず、やや低迷。
前頭の中位をうろついていました。
それが、先場所あたりから、正代本来の力強い立ち合いがようやく見られるようになり、彼が番付を駆け上がってきた頃のような、速い攻めの相撲が戻ってきました。
初日の徳勝龍戦でも、そうしたいい面が出ていましたから、今場所も大いに暴れてほしいものです。
若手で気になる存在を挙げるなら、今場所新入幕を果たした22歳の琴ノ若です。
初日を見る限りでは、新入幕というプレッシャーを感じさせず、のびのびとした相撲を取っていると思います。
父親は元関脇の琴ノ若(現・佐渡ヶ嶽親方)で、祖父が元横綱の琴櫻という、相撲界の”サラブレッド”。
当初は、攻めが遅い印象がありましたが、最近はよく前に出るようになってきて、体に重さが出たというか、体に力がついてきたように思います。
私も、父親が自分の部屋の師匠(井筒親方=元関脇・鶴ヶ嶺)で、兄ふたりも力士だったため、周囲からあれやこれやと比較されるなど、琴ノ若の境遇はよくわかっているつもりです。
これからも、いろいろとつらいことがあるかもしれないけど、外野の声など気にせず、自分の相撲を精一杯取っていってほしいと思います。
ところで、先にも触れましたが、6年近く大関を務めてきた豪栄道が、初場所を最後に土俵から去りました。
カド番だった初場所は、5勝10敗と負け越しましたが、この春場所で、関脇で10勝を挙げれば、大関に復帰することができました。
でも、本人はだいぶ前から「大関から落ちたら、引退」と心に決めていたようです。
そのため、負け越しが決まったあとも、千秋楽まで全力で相撲を取って、引退を表明しました。
誰もが認める実力者だっただけに、33歳での引退は残念でなりません。
一方で、豪栄道らしい、潔さも感じました。
親方として、今後どんな力士を育てていくのか、興味深いですし、楽しみでもあります。
錣山(しころやま)親方元関脇・寺尾。
1963年2月2日生まれ。
鹿児島県出身。
現役時代は得意の突っ張りなどで活躍。
相撲界屈指の甘いマスクと引き締まった筋肉質の体つきで、女性ファンからの人気も高かった。
2002年9月場所限りで引退。
引退後は年寄・錣山を襲名し、井筒部屋の部屋付き親方を経て、2004年1月に錣山部屋を創設した。
現在は後進の育成に日々力を注いでいる。

大相撲春場所7日目

大相撲春場所は7日目、ともに初日から6連勝としている横綱・白鵬と平幕の御嶽海が結びの一番で対戦します。
観客を入れずに行われている春場所は13日、平幕の御嶽海が大関昇進がかかる関脇・朝乃山との勝ちっ放しどうしの一番を制し、6連勝としました。
一方、休場明けの横綱・白鵬も初日から危なげない相撲を続けて6連勝とし、異例の場所を引っ張っています。
7日目の14日は、白鵬と御嶽海が結びの一番で対戦します。
過去の対戦成績は白鵬の10勝3敗で、白鵬が相手の出足を止めて胸を合わせる形を作れば圧倒的に優位です。
御嶽海としては立ち合いで鋭く踏み込み、もろ差しなどで厳しく攻めて勝機を見いだしたいところで、今場所の行方を占う大きな一番になりそうです。
13日敗れて5勝1敗となった朝乃山は、小結・遠藤との対戦です。
過去の対戦成績は朝乃山が2勝6敗と負け越しています。
最近は遠藤にもろ差しを許して敗れる相撲が目立っていて朝乃山としては、立ち合いでしっかり圧力をかけて相手を押し込んでから得意の右四つに持ち込むことが重要です。
平幕の炎鵬は横綱・鶴竜との一番で、人気力士の横綱への初挑戦にも注目です。

各部屋ちゃんこ番が手作り弁当

ちゃんこ番の手作り弁当が広がりを見せている。
新型コロナウイルスの感染リスクを避け、他人と接触する機会を減らすため、今場所は力士ら協会員の再入場が禁止。
会場入り後、昼食や買い物で外に出ることができない。
幕内力士の付け人を務める序二段力士は、自身の取組後、6~8時間も会場に滞在することになる。
力士にとって空腹は取組後の最大の敵。
そんな状況を乗りきるため、各部屋のちゃんこ番が腕によりをかけている。
きっかけは相撲協会公式ツイッターの投稿だった。
高砂部屋の付け人力士が、手作り弁当を持参していると写真付きで紹介された。
これを機に、各部屋で栄養とボリュームのある手作り弁当を持参する新たな動きが出始めた。
協会公式ツイッターはその後、陸奥、佐渡ケ嶽、錣山、追手風部屋などの弁当も紹介した。
もともとは横綱鶴竜の付け人を務める、高砂部屋の序ノ口神山の発案。
全力士最長、10時間超も滞在する負担を軽減するため始まった。
弁当箱代わりのプラスチック製容器4個を購入した高砂部屋のちゃんこ長で序ノ口大子錦は「冷めてもおいしく食べられるものが中心」と毎日違う献立。
大子錦は今場所途中休場した分、サポートにも一段と力が入る。

徳光和夫

フリーアナウンサーの徳光和夫さんが14日、パーソナリティーを務めるニッポン放送「徳光和夫とくモリ!歌謡サタデー」(土曜・前5時)に生出演した。
新型コロナウイルスの感染拡大でさまざまなスポーツ、イベントが中止、延期になっていることに徳光さんが「一番残念なのは高校野球ですね」とし「断腸の思いです」とセンバツ高校野球の中止を惜しんだ。
その上で大相撲春場所の無観客興行に「見ておりまして、大相撲こそ興行なんだよね」とし「だから、序ノ口とか序二段の相撲を見ているようですね」「横綱たちがそういった中で取組を見ておりますと力が入らない。ケガをしなければいいなと願ってやまないですね」と願っていた。

大相撲春場所
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