初場所 12日目情報!

貴景勝

宝富士に何もさせなかった。
低く当たって相手の上体を起こすと、休まず攻めて押し出し。
連日の快勝にも「きょうは終わり。あしたはあしたの風が吹く」と表情を変えなかった。
他の役力士が軒並み振るわない中、平幕の2人を1差で追う。
「追い掛ける立場なのに優勝を意識する必要があるのかな、という感じ。自分の力が発揮できればいい」。
気負いはなさそうだ。

豪栄道

角番で既に7敗の豪栄道と、今場所後の大関復帰を逃した高安。
寂しい顔合わせになったが、豪栄道が先手を取って攻め、踏みとどまった。
両者とも休場があり、互いに大関だった2019年春場所以来の対戦だった。
立ち合いで低く当たったのは豪栄道。
左まわしは取れなかったが、構わず足を運んで得意の右差し。
かいなを返して相手の腰を浮かせ、寄り切った。
「今日のような相撲が取れればいい」と光を見いだしたようだ。
同じ出羽海一門の玉ノ井親方(元大関・栃東)は「力が落ちているわけじゃない。歯がゆいのは本人が一番分かっている」と、4月に34歳になる大関の心中を思いやる。
既に7敗し、「腹を決めてやるしかないんでね」と豪栄道。

正代

危ない場面をしのいで10勝目。
11日目を終えて2人の平幕力士がトップを走るのは1956年夏場所以来となった。
大栄翔に押し込まれながら、持ち味の土俵際の粘りを発揮。
「相手のペースだったが最後まで諦めなかったのがよかった」とほっとした表情を見せた。

炎鵬

「大関候補」の呼び声も高い新関脇・朝乃山を破り、6勝5敗と白星を先行させた。
立ち合いで頭を下げ、朝乃山の懐に潜り込むようにして、左腕を相手の右脚に伸ばした。
狙いは「昨日の夜、急にひらめいた」という足取り。
だが、左手は朝乃山の膝の裏をわずかにかすめただけ。
それでも、慌てさせるには十分だった。
「足を取れないことも想定していた。迷いはなかった」と準備万全だった炎鵬。
突きにきた朝乃山に対し、今度はその右腕を手繰って引き寄せ、バランスを崩すことに成功した。
俵の上にかろうじて足を残した朝乃山を、最後にひと押しして、土俵から出した。
金沢学院東高時代の炎鵬にとって、隣県の富山商高で1学年上の朝乃山は良い稽古(けいこ)相手だった。
しかし、それぞれ金沢学院大、近大に進むと、朝乃山の体が大きくなったことで太刀打ちできなくなった。
そんな学生時代だったから、「勝てるとは思っていなかった」と感慨深げに話した。
遠藤、豪栄道では飽き足らないとばかりに今度は気鋭の朝乃山。
初顔の実力者を次々と破る快進撃だ。
「楽しいですね。毎日が経験です。
自分はチャレンジャーだから、思い切りいくことしかできない。
『何でもしてやろう』という気持ちです」と、目を輝かせた。

豊山

連日の突き押し相撲で松鳳山を圧倒、難なく料理した。
「体が良く動いているし、いい内容だった」と顔をほころばせた。
立ち合いはほぼ互角。
突き合う展開となった。潜り込もうとする相手の動きを封じ、まわしを許さない。土俵際まで追い詰め、押し倒した。
「きれいに相撲を取ろうとすると相手に分がある。厳しく攻めることに徹した」。うなずきながら汗を拭った。
1敗で優勝戦線の先頭を走る正代が前日に松鳳山を破っている。
「昨日勝ってくれたのでいい形で入れた」と同じ時津風部屋の兄弟子に感謝する。
とはいえ、ともに賜杯を狙うライバル。
「同じ部屋で優勝を争うことはそうない。行けるところまで行きたい」と気合を入れる。
昨年は順調に滑り出しながら終盤で息切れするパターンが目立った。
今場所はその癖を修正し、日に日に自信を深めているように映る。
「一日一日必死にやっているだけ」と控えめだが、表情は晴れやかだ。
この日、豊山を含む2敗までの5人は全員が勝ち、大混戦の構図は変わらない。
あと4日、脱落するわけにはいかない。
「必死にやれば結果はついてくる」。風呂上がりに報道陣に語った。

三役経験豊富なベテラン、栃煌山を破っても顔色一つ変えずに花道を引き揚げていく。
ポーカーフェースで知られる輝らしく、首位と1差で臨む終盤戦にも「別に全然気にならない」。
普段通り、泰然自若として賜杯レースに食いついている。

徳勝龍

物言いがついた際どい一番を制し、「本当にたまたまうまくいっている。落ち着いて、やるべきことをやりたい」と気を引き締めた。
“相撲発祥の地”奈良県出身の力士として、98年ぶりとなる優勝も視野に入ってきた。
幕尻Vなら2000年春場所の貴闘力以来2度目となる。
正代も1敗を堅持。11日目を終えて平幕2人が首位に並ぶのは1956年夏場所の大晃、双ツ竜以来だ。
師匠の木瀬親方は「徳勝龍を慕って部屋に入る子もいる。うちの部屋にとって“福の神”だよ」と、人望の厚い弟子の躍進がうれしそうだ。
高校、大学の3学年後輩で、弟弟子でもある平幕の志摩ノ海も「面倒見がいいし、先輩ぶらない」と尊敬のまなざしを向ける。
優勝争いの中心として迎える残り4日。「周りは気にしません」。高い求心力をうかがわせる33歳は、どっしり構えて勝利も引きつける。

照ノ富士

旭大星を破って、初日からの連勝を11に伸ばした。
部屋は違えど同じ伊勢ケ浜一門同士、稽古を長年ともにしてきた仲。
距離を取られても焦らず、右に動かれても足を運んで対応した。
常に相手を正面に置くことを意識して、体を寄せながら右を差して寄り切って無敗を死守した。
「昔から稽古やってますからね。そんなに当たってくる相手ではない。落ち着いていく意識でやりました」と狙い通りの相撲に表情は柔らかかった。
この日は弟弟子で東幕下2枚目の翠富士が、勝ち越しを決めて新十両昇進へ前進。
「うれしいね。かわいい後輩だから」とほおを緩めた。
自身もここまで好調で、そろそろ優勝も視野に入るころだが「1個ずつ重ねていきたい」と短い言葉に力を込めた。

正代:故郷の宇土市がPV開始

熊本県宇土市は22日、地元出身で、大相撲初場所で優勝争いを続ける正代関を市民挙げて応援しようと、パブリックビューイング(PV)を市民体育館ecowin宇土アリーナで始めた。
地元後援会との共催。
地元住民ら約30人が大栄翔関との一番を見守った。
正代関が土俵入りすると正代コールが湧き起こり、盛り上がりは最高潮に。
正代関が粘り腰で10勝目を挙げると、大歓声に包まれた。
正代関の母校の鶴城中2年で、相撲部主将の大手希星[きら]さんは「正代関は地元のヒーロー。
自分も稽古して正代関のようになりたい」と興奮気味だった。
PVは23日以降も午後5時から実施予定。
千秋楽の26日は午後4時半から。
市教育委員会スポーツ振興係TEL0964(23)2642。

大相撲初場所(東京両国国技館)
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