初場所 11日目情報!

貴景勝

初顔の炎鵬を相手にしても、大関はどっしりと構えていた。
何を繰り出すか分からない厄介な小兵。
貴景勝は「やり方を変えると、自分を見失う。特別な意識を持たずにいった」。館内の興奮をよそに至って冷静だった。
正代、反応良く 大相撲初場所
炎鵬を正面に置き、押し、はたきで距離を保った。
懐には入れさせず、勝負は急がない。
一気には出て行かないから、相手は逃げ場をじわじわと失った。
回り込もうとしたところを飛びかかるようにして押し出し。
連日土俵を沸かせている人気力士の勢いをしっかりと食い止めた。
小学生の頃から、2歳年上の炎鵬の存在を意識していたという。
「あの体で今の番付に上がるには、相当頭を使ってきたはず」。
自身も身長は175センチ。
体重こそ違うが、巨漢がそろう幕内の土俵でともに戦う者として、共感できる部分もあるようだ。
連敗はせず、1差で平幕の正代、徳勝龍を追う。
八角理事長(元横綱北勝海)は精神的な強さを評価し、「大関の責任を果たしている。終盤戦は貴景勝が中心になる」と言った。
「勝ちにこだわらずに挑戦者のつもりでやりたい」とは貴景勝。
この姿勢だけは揺るがない。

 

豪栄道

大相撲初場所(東京・両国国技館)で、大関が“絶滅危機”に直面している。
9日目(20日)は今場所の大関返り咲きを目指していた関脇高安(29=田子ノ浦)が幕内宝富士(32=伊勢ヶ浜)に押し出されて6敗目。
大関復帰の条件となる10勝に届かないことが確定した。
取組後は報道陣からの問い掛けに無言を貫いた。
昨年7月の名古屋場所で左ヒジを負傷してから本来の力強い攻めは鳴りを潜めた。
日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)は「高安は気持ちに体がついていっていない。ヒジが悪いから強引にいけない」と指摘。
「体を治して稽古を積めば、また気力も湧いてくる。大関復帰を目指して頑張ってほしい」と奮起を促した。
とはいえ、次世代の横綱候補と目された高安も2月で30歳。
年齢的にもベテランの域に差し掛かっている。
現行制度での大関復帰は陥落直後に関脇で10勝して返り咲いた例が大半(6人7例)。
それ以外で大関に再昇進したのは過去に魁傑一人しかおらず、復活は簡単ではない。
この日は大関カド番の豪栄道(33=境川)も関取最小兵の幕内炎鵬(25=宮城野)に押し出されて6敗目。
大関残留に“黄信号”が点灯した。
取組後は「取りづらさ? 同じだと思うけど、あんまりいないし…」と声を絞り出した。
昨年7月場所から貴景勝(23=千賀ノ浦)、栃ノ心(32=春日野)、高安が相次いで大関から陥落(貴景勝は1場所で復帰)。
3場所連続で大関から降下力士が出るのは昭和以降初めてのことだ。
4場所連続となれば、まさに異常事態。
貴景勝の一人大関となった場合は、1982年1月場所の琴風(現尾車親方)以来38年ぶりとなるが…。

 

朝乃山

朝乃山は元気がない栃ノ心に力負け。
左上手を引きながら、相四つの元大関が連発した下手投げでぐらつき、最後は土俵下へ転げ落ちた。
「詰めが甘かった。細かいことも必要」と課題を口にした。
この日は、富山商高時代の恩師、浦山英樹さんの命日。
特別な日を白星で飾れなかった悔しさは胸にとどめ、「自分の相撲を取り切るだけ」と残り5日に視線を向けた。

 

遠藤

遠藤(追手風)は御嶽海(出羽海)に敗れ、3連敗で6勝4敗となった。
御嶽海も星を6勝4敗とした。
御嶽海の寄りを残したものの、二の矢で放たれた上手出し投げを残せず、土俵に転がされた。
今場所は初日から2横綱、1大関、2関脇と上位力士を立て続けに撃破した遠藤だったが、8日目から炎鵬(宮城野)、阿炎(錣山)、御嶽海に敗れ3連敗を喫した。
11日目は妙義龍(境川)と対戦する。
御嶽海は小結阿炎(錣山)と顔を合わせる。

 

玉鷲

妙義龍を押し出し、7日ぶりの白星で7敗に踏みとどまる。
ほっとした表情で、「最近の自分の相撲はあまり面白くなかった。見てよかったという相撲が取りたかった」。

 

正代

正代はうるさい松鳳山に防戦となったが、左が入ってからの反撃が速かった。
右もうまく使って一気の寄り切り。
あまりの圧力の強さに相手が浮き上がるほどの豪快な攻めでトップの1敗を守り、「よく反応できている」と振り返った。
弟弟子の豊山も2敗を堅持。
「部屋としての流れがいいし、自分としても負けられない。あっちも負けたくないと思っているのでは」。
東農大の後輩の奮闘も刺激に変え、いよいよ終盤戦を迎える。

 

炎鵬

貴景勝に敗れ、9日目の豪栄道に続く大関撃破はならず。
「何一つ通用しなかった。これが今の実力。向こうの方が何枚も上手だった」

 

豊山

新潟市出身で西前頭9枚目の豊山(26=時津風)は東龍(32=玉ノ井)と対戦。
押し出しで8勝目を挙げ、5場所連続勝ち越し。
豊山は「ホッとした。今年は覚悟というかやらなきゃいけない思いがある。(優勝争いは)いけるところまでついていって狙っていきたい」。
貴景勝、輝とともに2敗で、1敗の徳勝龍、正代を追っている。
今日22日は9勝目をかけ松鳳山と対戦する。

 

徳勝龍

負け越したら十両落ちの幕尻で前日に勝ち越しを決めていたが「負けてもいいやという相撲は一番もない」と徳勝龍。
気合のこもった表情に、安堵の様子はなかった。
この日の立ち合いは劣勢。
千代丸のもろ手で上体を起こされ押し込まれた。
それでも、軽快な足運びで左に逃れると、鋭い右の突き。
つんのめった相手はそのまま場外へ落ちていった。
幕内で過去6戦全敗の天敵を破り首位を守っても「まだですよ。(自分は番付が)一番下なので」と謙虚に笑うだけだ。
最後に幕内で勝ち越したのは3年前の夏場所。
十両でもがく期間が長く「自分はずっと十両なのかな」と弱気になったこともあったが、大関豪栄道や栃煌山ら三役経験者と同学年の33歳は「自分も、という気持ちはあります」とひそかに闘志を燃やす。
大学時代に指導を受けた近大相撲部の伊東勝人監督が今月、急逝した。
「勝ち越したら一番に報告しようと思っていた」という恩師に直接伝えることはかなわなかったが「変な相撲を取ったら(監督に)笑われる」。
終盤戦へ向け、一段と気を引き締めた。

大相撲初場所(東京両国国技館)
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