初場所 4日目情報!

白鵬

座布団が乱れ飛び、興奮が最高潮に達した館内を横目に、白鵬は寂しそうに土俵を下りた。
2日連続で金星を与えるのは2年ぶり。
それも、よもやの格好でだった。
右差し、左上手を狙う立ち合いで妙義龍を捕まえにいった結果、裏目に出た。
かつてはこの取り口で難なく料理してきたが、過去20勝1敗だった相手に右も差せず、上手も取れず、両足がそろったところで突き落としを食い、ばったりと両手をついた。
前日の遠藤戦に伏線があった。
このところ多用してきた張り差しとかち上げを安易に選択した揚げ句、それを想定されて防戦一方となり、あおむけになった。
「きのうのこともあったし、気持ちが空回りしたのではないか」と八角理事長(元横綱北勝海)。
同じ手に頼っての失敗は許されない。
そんな一抹の不安を取り除くために繰り出した本来の攻めが効かず、衰えも感じさせた。
鶴竜も取りこぼした直後の結びを締められず、番付上の2横綱がそろって金星を与えるのは、1997年名古屋場所以来の不名誉な事態。
第一人者の看板が静かに傾き始めていることを予感させた連敗に、白鵬は「あしたは、あしたにならんとね」。
言葉に力がなかった。

 

鶴竜

鶴竜が3日目で2個目の金星を与えた。
北勝富士を一度は押し込んだが、喉輪で反撃されると、我慢できずに引いて自滅。
「(休場明けだが)相撲勘などの問題ではない。相手に全然力が伝わっていない」と声を落とした。
場所前に発熱などで体調を崩した影響で、「痩せ過ぎてしまった」という。
「今できることをやって、少しずつ体重を戻したい」と、もどかしそうに言った。

 

豪栄道

かど番で3連敗。
遠藤に突き落とされ、「もっと密着して攻めないと駄目。立ち合いの後の動きがかみ合わない」。

 

貴景勝

大栄翔を押し出し、「勝っても負けても力を出し切ろうと思っていた。また切り替えて、あしたからしっかりやっていきたい」。

 

朝乃山

朝乃山は右四つの持ち味を発揮した。
右を差して左上手も引くと、隠岐の海を難なく寄り切り。
「自分の形になれた。体がしっかり動いている」と満足そうに振り返った。
役力士の中ではただ一人の3連勝となったが、「何も意識していない」と淡々。
両横綱が敗れるなど波乱が起きた3日目に、大関昇進を目標に掲げる新関脇が存在感を示した。

 

高安

白星先行。
御嶽海をはたき込み、「立ち合いからしっかり当たれた。落ち着いて相撲が取れた」。

 

遠藤

遠藤は連日の金星獲得に続いて豪栄道も撃破。
大関の張り差しにも全く動じるところがなく、うまく体を開いて突き落とし、「しっかり動けてよかった」と淡々と振り返った。
初日からの3連勝は、東前頭6枚目だった2018年名古屋場所以来だが、「特にいつもと変わらない」と言う。
勢いに乗る中、「あしたからも自分の相撲を取るだけ」と自然体を強調した。

 

北勝富士

北勝富士は鶴竜から金星を奪って3連勝。
我慢して右喉輪で押し返し、横綱がたまらず引いたところで勝負をつけた。
場所前には出稽古で胸を借りており、「その成果がしっかり出てくれたのではないか」と満足そう。
豪栄道、貴景勝の両大関も撃破。
この調子なら、三役復帰も十分に見込めるだろう。
「定着しないと話にならない。自分のいいところが出れば、しっかり白星も上がってくる。普段通り気持ちを固めて」と自身に言い聞かせた。

 

正代

3連勝。
「新年だし、気分がいい。自分がこんなにポジティブだと、あしたは雪が降るのでは」。
本来の明るさも取り戻し、納得顔で。

 

炎鵬

明生を下手出し投げで破り、「(動きは)まだまだ遅いが、下手な相撲なりに勝ててよかった」。
右肩付近を痛めており、支度部屋では顔をゆがめながらも「大丈夫です」。

 

錦木

大相撲初場所2日目(13日・両国国技館)盛岡市出身で東十両4枚目の錦木(伊勢ノ海部屋、盛岡・米内中)は、東3枚目の大翔丸に突き落とされ、1勝1敗となった。
錦木は大翔丸の右おっつけと左はずに手を焼き、十分な体勢をつくれなかった。
強引に振りほどき、右喉輪で前進したが足がついていかない。
左に回った相手の突き落としを食った。
3日目は西3枚目の木崎海と対戦する。

 

金星配給

白鵬、鶴竜の2横綱がともに金星を配給した。
鶴竜は北勝富士をつかまえられずに押し出され、白鵬は妙義龍の突き落としに屈して2日連続金星配給。
複数の横綱がそろって金星を配給するのは1997年名古屋場所3日目の貴乃花、曙以来23年ぶり。
白鵬、鶴竜とも1勝2敗と黒星が先行し、休場危機に陥った。
全勝は新関脇の朝乃山、平幕の遠藤、北勝富士、正代、輝、照強の6人となった。
波乱の連続で、またしても座布団が舞った。
鶴竜が敗れた後の結びの土俵。
白鵬は立ち合いで左前まわしを引けず、足が止まった。
勝機をうかがおうとしたところで妙義龍の左突き落としを食らうと、簡単に前に落ちた。
花道を引き揚げる際にはテレビモニターを凝視。
「足が流れている。それをチェックした」と敗因を分析した。
横綱在位75場所目で25個目の金星配給。
2日目は遠藤に敗れており、2日連続の配給は18年初場所の3日目に北勝富士、4日目に嘉風に敗れて以来、2年ぶり2度目となる。
横綱昇進後に序盤で2敗したのは4度目。
過去3度はいずれも2敗目を喫した翌日に休場している。
4日目以降については「明日は明日にならないと」と出場は明言しなかった。
鶴竜も厳しい攻めが鳴りを潜めている。
北勝富士の右喉輪で出足を止められ、左おっつけに体が起きると悪癖の引きが出て墓穴を掘った。
「軽い。それに尽きる。相撲勘とかではない。ちょっと痩せすぎ。力が伝わっていない。自分で分かる」。
九州場所は初日の朝に腰痛を発症し、2場所連続途中休場。腰への負担を軽くするため160キロ前後だった体重を153キロまで落としたが、それが裏目となっている。
金星配給は30個の大台に乗ってしまった。
八角理事長(元横綱・北勝海)は「白鵬は勝ちたい気持ちが出て空回りした。鶴竜も気力を振り絞っていかないといけない。思い切りがない」と両横綱の奮起を期待したが、巻き返すことはできるのか。
16年以降、初場所は初優勝力士が続いている。
今年も“荒れる初場所”の様相だ。
番付にいる2人以上の横綱がそろって平幕に敗れる(不戦敗を除く)のは、03年名古屋場所5日目に朝青龍が旭鷲山に反則負け(記録上は金星にならず)、武蔵丸が高見盛に寄り切られて以来、17年ぶり。
横綱がそろって金星配給となった97年名古屋場所3日目は、貴乃花が蒼樹山に押し倒しで、曙は貴闘力に引き落としで敗れた。

 

舞の海

大相撲初場所2日目が2020年1月13日、東京・両国国技館で行われ、横綱白鵬(34)=宮城野=が、平幕遠藤(29)=追手風=に切り返しで敗れ2日目にして黒星を喫した。
昨年11月の九州場所で白鵬が立ち合いで遠藤をかち上げて波紋を呼んだだけに、白鵬の立ち合いに注目が集まっていた。
昨年の九州場所では、立ち合いで白鵬が右からかち上げ、右肘が遠藤の顎に直撃。
さらに張り手を顔面に食らわせ、遠藤は鼻から出血。
場所後に横綱審議委員会から立ち合いに関して苦言を呈された。
このような経緯を踏まえ、この日、NHKのテレビ解説を務めた舞の海秀平氏(51)は「白鵬本人も批判の声が上がっているのは分かっていると思う。なぜ批判されるかということも白鵬は考えてほしいです」と反省を促すような発言をした。
注目の立ち合いは、呼吸が合わず白鵬の待ったで始まった。
2度目の立ち合い、白鵬が左から張って出た。
先場所同様、右からかち上げようとするも遠藤に外される形で不発に終わった。
右上手をつかみ、2度3度、投げを打ったが遠藤がこれをこらえ、最後は遠藤が切り返し。白鵬は背中から土俵に落ちた。
遠藤のリベンジに館内は「遠藤コール」で応えた。
舞の海氏は「おそらくお客さんは先場所の相撲も記憶しているから。そこからの今日の勝利ですから喜びもひとしおなんでしょうね」とファンの心理を解説し、殊勲の遠藤に対して「先場所、ああいう負け方しながらよく怖がらずに踏み込みましたね」と称賛した。
「どういう気持ちで相撲を見守ってきたか」
横審から苦言を呈されながらも「かち上げ」は「禁じ手」ではなく、今後も自身の流儀を貫くことを公言している白鵬。
一方で白鵬の「かち上げ」は「肘打ち」とみる関係者、ファンがいることも事実で、「かち上げ」の際に顎を直撃する白鵬の右肘のサポーターも物議をかもしている。
舞の海氏はこれまでも白鵬の立ち合いに苦言を呈しており、先場所も「過去の横綱はこういう立ち合いはしなかった」と批判的なコメントをしていた。
また、この日のテレビ解説では「日本人が昔からどういう気持ちで相撲を見守ってきたか」と白鵬に問いかけるように話した。

大相撲初場所(東京両国国技館)
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