本場所 10日目 情報!

鶴竜

九州場所は初日の「結びの一番」が、いきなり横綱の不戦敗という“波乱”で幕を開けた。
東の正横綱・鶴竜(34)が、当日になって休場を決めたからだ。
初日から休場する力士は本来、その2日前となる金曜午前中までに届け出る必要がある。それを過ぎると取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決まってしまい、2日目については割り返し(取組の再編)が必要になって大変な手間がかかるのです。今回、鶴竜は初日に小結・朝乃山(25)、2日目に隠岐の海(前頭筆頭、34)といずれも過去に金星を献上しているガチンコ力士と組まれていた。腰のケガがあるとはいえ、“敵前逃亡”と思われても仕方がない。
鶴竜が所属していた井筒部屋では、先場所中に井筒親方(元関脇・逆鉾)が急逝したため、力士たちは場所後に陸奥部屋へ移籍している。
「もともと陸奥部屋にいた力士と元井筒部屋の力士によるトラブルを恐れてか、陸奥親方(元大関・霧島)の指導は遠慮がちで、鶴竜も部屋の居心地が悪いのか、福岡入りしてからは出稽古ばかりだった。親方は出場できるか、鶴竜の状態の確認もままならなかったようだ」(協会関係者)
両横綱とも休場が多いにもかかわらず、2018年初場所から2年間で鶴竜が与えた金星は12個もある。

白鵬

横綱・白鵬(34)は平幕の大栄翔(前頭筆頭、26)に一方的に押し出され、衰えを感じさせる取組だった。
その翌日のスポーツ紙では元横綱・北の富士勝昭氏が〈私の予想より急速に落ちている〉と酷評している。
白鵬は横審から立ち合いの張り差しやカチ上げを批判されて控えていたが、大栄翔やその翌日の朝乃山との取組では、“解禁”している。ガチンコ力士相手には、カチ上げでもしないと勝てないほどに力が衰えているということでしょう。
両横綱とも休場が多いにもかかわらず、2018年初場所から2年間で白鵬が与えた金星は6個。
9日目18日日、本人では初となる、史上最多43度目の優勝を目指す一人横綱の白鵬が、優勝争い単独トップを守った。

豪栄道

初日の小結・遠藤(29)との取組で負傷した大関・豪栄道(33)も翌日から休場。
来年初場所は大関在位32場所で実に9回目となるカド番で迎える。
歴代3位という不名誉な記録である。

高安

取組の直前に休場する大失態を演じた大関高安(29=田子ノ浦)の関脇陥落が濃厚となった。
大相撲九州場所8日目(17日、福岡国際センター)、会場に到着する前から腰痛を発症。
幕内土俵入り後に支度部屋の風呂で患部を温めて出場を目指したが、痛みは一向に治まらない。
大関の異変を伝え聞いた九州場所担当部長の境川親方(57=元小結両国)が支度部屋に駆けつけて事情を聴くと、高安は「痛くて四股も踏めません…」。
急きょ、休場が決まった高安は報道陣からの問いかけに無言。
付け人の肩を借りながら引き揚げた。すでに9日目(18日)の割(取組)が決まっていたため、審判部では取組を変更する「割返し」が行われた。
横綱白鵬(34=宮城野)が昨年7月場所で午後2時すぎに休場を届け出たケースはあるが、土俵入り後の休場は前代未聞だ。
境川親方は「ギックリ腰。歩けないんだから、しようがない。こっち(会場)に来る前から痛かったみたい」と説明。
今場所はカド番で簡単には休めない事情もあった。
師匠の田子ノ浦親方(43=元幕内隆の鶴)は体調不良で休場中とはいえ、有事の際にストップをかける立場。
境川親方が田子ノ浦親方に連絡し「(休場なら)もっと早く連絡せんかい!」と一喝する場面もあった。
師弟の意思疎通不足も露呈した格好だ。
日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)は「本当にお客さんに申し訳ない」と謝罪した。
この日の不戦敗と9日目の休場で3勝6敗。
仮に再出場できたとしても大関残留は極めて厳しくなった。
来年1月の初場所で関脇へ転落することが確実になってくる。
師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が18日に再出場しない方針を示し、2場所続けて負け越す見通しとなったため。
初場所で10勝すれば復帰できる。
田子ノ浦親方は「中途半端に出て、来場所で大変なことになるよりも、しっかり治して臨んだ方が(大関に)戻れると思う。それだけの力はある」と述べた。
高安は左肘のけがのため先場所を全休。
3度目のカド番だった今場所は、9日目まで3勝5敗1休だった。

貴景勝

貴景勝は鼻血を流し、勝ち名乗りを受けた。
立ち合いで頭から当たって突き起こしたが、北勝富士も突き押しで応戦。
激しい攻防を繰り広げ、最後はタイミング良く左から突き落とした。
「同じ押し相撲で、相手も気持ちで取るタイプ。力を出し切ってくるだろうと思ってやった」と気迫十分だった。
鶴竜、豪栄道、高安が不在の中、白鵬を2差で追う状況。
「とにかく自分のことに集中する。疲れはあるけど、力を出し切れるようにするだけ」と足元を見詰めた。

御嶽海

玉鷲を寄り切って3連勝で白星先行。
「スピードのある相撲だった。ここから。2桁勝利を目指して頑張る」と力強く。

朝乃山

大器とはいえ、極端に合口が悪い相手がいれば、出世街道の障害になりかねない。
朝乃山にとって、それが大栄翔。
重い突き押しにも屈して7連敗中だった苦手を破り、「これからの相撲人生につながる白星にしたい」と決意を込めて言った。
鋭い踏み込みに、同じ過ちは繰り返さないという気迫を込めた。
力強いかち上げから先手を奪い、相手の武器を封じた。
すかさず右をのぞかせると、これを嫌った大栄翔が頭を下げたところを逃さず、押しつぶすようにはたき込み。
「落ち着いて取れた」と自賛の内容だった。
最後に勝ったのはいつか。「新入幕の時以来ですよね」。そう即答できるほど、苦杯を喫し続けた難敵にようやく借りを返し、「今場所だけでなく、毎場所克服していきたい」。
一度の成功だけで形勢を逆転できないことは重々、承知の上だ。
自身を勢いづけそうな白星で、新小結での勝ち越しに王手をかけた。
「休場した上位が全員出ていたら、これだけ勝てない。まぐれだ」と謙遜しつつ「自信にはしたい」とも。
真摯に課題と向き合う姿も頼もしかった。

明生

4日ぶりの勝ち星で白星先行。
妙義龍に圧力負けせず、「きのうまでは内容が悪かったが、きょうは踏み込みが良かった。前に出ようと意識できた」と納得顔。

琴勇輝

2016年名古屋場所以来となる白鵬への挑戦。
歯は立たなかったが、「ただ負けたのではなく、勉強になったこともある。次に生かしたい」と収穫も強調。

炎鵬

炎鵬が動きの良さで琴奨菊を破った。
左にずれるように立つと、相手の右腕を取りながら左下手を引いた。
投げは決まらずに一度離れたが、今度は左腕を引っ掛けて土俵外へ追いやった。
70キロ以上重い元大関を翻弄し、「うまく圧力を殺して、逃がして。体がよく動いてくれた」と自賛した。
大歓声を受けながらご当所の琴奨菊を破って再び白星先行。
連敗も3で止めた人気者は「期待に応えたいという思いでやっている。自分の良さを出していきたい」と表情を引き締めた。

松鳳山

阿武咲との激しい攻防を制して6勝目。
35歳は息を切らしながら、「3日分は体力を使った。若い子に動き負けずに頑張っている」。

休場者が相次ぐ九州場所を盛り上げているのが前頭13枚目の輝だ。
志摩ノ海に快勝して2敗を守り、優勝争いに顔を出している。
「最近の何場所かに比べるとやりたいことができている」と手応えも上々だ。
身長192センチの大柄な体を小さく丸めて頭からぶつかった。
右を差し、左でおっつけながら前に出る。
相手が逃げられないように体を密着させ、危なげなく押し出した。
石川県出身でしこ名は北陸新幹線「かがやき」にちなんで付けられた。
長い腕を生かしたスケールの大きな相撲で将来を嘱望されたが、新入幕からもうすぐ4年。
幕内中位から下位にとどまり、存在感は薄れていた。
今場所は一転、快調に白星を並べている。
「意識が変わってきた。一気に踏み込んで自分の形を作れるようにしている」。
かつては突きを繰り出すものの足が前に出ず、ばったり倒れることがあった。
今は右を差して相手を捕まえる相撲で、勝利を重ねている。
まだまだ伸びしろはある。
熱心な指導で知られる師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は「もっと下から、膝を曲げて。気が優しいのかもっと荒々しくいかないと」とさらなる成長を期待する。
勝ち越しに王手。
幕内で経験のない2桁勝利も見えている。
「良い感じで相撲を取れている。この感覚でしっかりやっていきたい」。
星勘定よりも、目の前の一番に集中する。

大相撲九州場所(福岡国際センター)
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