本場所 3日目 情報!

■鶴竜
白鵬が不在となった土俵で、鶴竜が綱の務めを果たした。
前日に金星を獲得していた北勝富士の勢いを止めて土俵を締め、連覇へ弾みをつける連勝スタートを切った。
初日の遠藤戦と同じように右から鋭く踏み込み、先手を取った。
「とにかくしっかり当たることだけを意識した」。二の矢の突きで相手を十分に起こすと、最後はタイミングよくはたいて仕留めた。
八角理事長(元横綱北勝海)も「圧力があるから余裕を持って取れる。しっかり地に足がついていた」と危なげない内容を褒めた。
怪我に悩まされることが多かったが、今場所前は順調。
時津風一門の連合稽古に一門外の北勝富士を呼んで手合わせしたことも、この日の快勝につながった。
大関陣は高安が休場し、残る豪栄道と栃ノ心はカド番。
ただ一人出場することになった横綱として、賜杯争いをリードする役割を一層求められる。
重圧が増しそうな状況にも「初めてじゃない。きょうはきょう。あしたはあした。自分の相撲に集中してやる」。泰然とした口ぶりも頼もしい。

■白鵬
白鵬が右手小指のけがで大相撲秋場所2日目から休場した。
優勝は歴代最多の42度を誇るが、平成最後の場所だった3月の春場所を最後に賜杯は抱けておらず、一時代を築いた34歳の第一人者に陰りが出てきた。
天性の柔軟性もあって、ほぼ故障知らずだった体に変化の兆候が表れたのは、横綱昇進後で初の休場となった4年前の秋場所。
ここからは徐々に休むことが増え、2年前の秋場所からは8度を数える。
1場所で複数の金星を与えるようになったのも30歳を超えてからだ。
怪我や年齢とも闘う中で全盛期の強さを失いつつある中、昨年九州場所では22歳だった貴景勝が、令和の幕開けとなった5月の夏場所には平成生まれの朝乃山がそれぞれ初優勝。
次世代の台頭が目立ってきた。
現役生活のめどにしている来夏の東京五輪が迫る状況で、新元号でも優勝したい思いは強いはず。
八角理事長(元横綱北勝海)は「しっかり治して来場所に臨んでほしい」と復活に期待を寄せた。

■豪栄道
苦手の逸ノ城を寄り切り、カド番で連勝スタート。
「初日、2日目ともに前に出られているのでいいんじゃないか」と手応えを口に。

■栃ノ心
カド番の栃ノ心は朝乃山に一方的に寄り切られて2連敗。
風呂場では悔しさを隠せず何度も叫び声を上げた。まげを直す際も表情は険しいまま。
内容を問われても「分からない」とぶっきらぼうに答えた。
関脇に転落した夏場所で10勝を挙げ、大関に復帰したが名古屋場所は右膝と左肩のけがで途中休場。
今場所前の稽古でも右膝の不安は拭えておらず、厳しい戦いが続きそうだ。

■御嶽海
大栄翔を土俵際の逆転で下して連敗を免れる。
内容には納得がいかず、「立ち合いは良かったけど。そのままいきたかった」。

■貴景勝
関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が、大関返り咲きへ吉兆だ。
前頭碧山を押し出して初日から2連勝。
右膝の負傷による休場から、再出場した夏場所8日目で敗れた相手に完勝した。
現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降、1場所で復帰した5人6例ではいずれも連勝発進に成功。
データに後押しされながら10勝以上を目指す。2場所連続優勝を狙う鶴竜も連勝発進。横綱白鵬がこの日から休場した。
199キロの巨体を、ひたすら追いかけ回した。
もろ手突きで出足を止められたが、貴景勝は二の矢、三の矢を素早く繰り出す。
足を止めず、下からあてがうように懐へ。貴景勝の圧力に後退する碧山を、逃さずに仕留めた。
「(相手が)引いたら攻め込んでいく、そういう意識だった」。格の違いを見せつけたが、相撲内容の良しあしについて問われると「それは皆さんが決めること。自分で決めることじゃない」と、無粋な自己評価を嫌った。
因縁のある相手だった。碧山とは再出場した夏場所8日目で対戦。
変化であっけなく敗れ、大関として異例の再休場に追いやられた。そして今場所前に行われた先月31日の横綱審議委員会(横審)による稽古総見。
「けがした日から1日も忘れず、早くやりたいと思っていた。特別な感情があるわけじゃないが、手っ取り早くその相手とやった方がいい」と、申し合いで真っ先に指名して、電車道で完勝。
頭に引っかかる要素はすぐに取り除いた。
大関返り咲きへ光明が差す。現行のカド番制度となった69年の名古屋場所以降、大関から陥落した場所に出場して、連勝発進に成功した例は7人8例。
そのうち6例は復帰に成功しており、確率にして75%とムードは高まる。「自分のやるべきことをやれば勝てる確率は上がる。一生懸命やれていると思う」。
場所前には10勝どころか優勝を目標に掲げた。横綱白鵬が2日目から休場するなど大荒れ模様の今場所。完全復活を目指す23歳にも、そのチャンスは十分ある。

■北勝富士
鶴竜にはたき込まれ、白鵬に続く横綱連破はならず。
「押し相撲としては押し出されて負けるよりいい」と自らを納得させる。

■朝乃山
朝乃山が栃ノ心を圧倒した。しっかり踏み込んですぐに左上手を取り、引き付けて一気に寄った。
右の相四つの大関に何もさせず、「前に前に攻めようという気持ちしかなかった。上手を取らせずに休まずに攻め切れた」と自賛した。
場所前に左脚の蜂窩織炎を発症したが、その影響を感じさせずに連勝。
3日目は貴景勝戦。「押し相撲なので、しっかりと圧力をかけ、引かないようにしたい」とイメージした。

■玉鷲
千代大龍を一気に押し出す会心の内容に「本当に良かった。久しぶりにこんなにいい気持ち」。連勝発進は初優勝した初場所以来。

■豊ノ島
16年初場所以来となる、幕内勝ち越しを目指す西前頭14枚目の豊ノ島(36=時津風)が、連敗を喫した。
史上2位のスロー復帰となる30場所ぶりの再入幕を果たした同15枚目の東龍(32=玉ノ井)と対戦。得意の懐に入れず、頭をつけて互いに差し手を探り合う膠着状態から、得意の左が深く入った。
だが逆に、東龍に左上手を与えてしまった。攻め手をうかがったが、タイミング良く左から上手出し投げを打たれ土俵にはった。
場所前にアキレス腱に近い右足裏を痛めたことは、前日の取組後に明かしていた。
それでも動きに問題はなかったことで十分に相撲を取れる手応えは感じていたが、どうしても気になってしまうという。
「土俵に上がると全く気にならないんだけど、それまではどうしても気にしてしまう。ビビリながら取るのはよくない。
この2日間で不安なく取れているのは分かったから、もう少し楽しんで相撲を取らなきゃダメだね」と豊ノ島。
不安が頭をよぎることで「ちょっと動きに精彩を欠いているような気がする」(豊ノ島)状況だが、動きからは心配なさそう。
あとは気持ちの問題だけだろう。そこはベテランらしく、切り替えながら今場所初白星を目指す。

※台風15号
台風15号による首都圏の交通機関の乱れで、2日目の取組に影響が出た。
前日に開始時間を当初から30分繰り下げていたが、それでも複数の力士が遅れたため、計13番を後に回して対応した。
最初に組まれていた序ノ口の刃力は相手が遅れ、まわしをつけたまま2時間以上待ち、取組に敗れた。
それでも「こればかりは仕方ない」と割り切って話した。
本来より出番が早まることもあって、さらに混乱した。「準備運動はしていたが、いつ始まるか分からなかったので調整が難しかった」とこぼす力士もいた。
天候や交通事情が原因で、一部力士の取組順を遅らせたのは2016年初場所以来。
二子山部屋は埼玉県所沢市にあるが、ホテルに宿泊したため遅刻者はいなかった。