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52.部屋持ち親方の資格
ガのため巡業を休んでいたはずの朝青龍が、モンゴルでサッカーに興じていたことが大々的に報じられてしまった。すかさず日本に呼び戻されたものの、謝罪の言葉も聞けぬまま、当人がマンションに引きこもってしまった。医師が代わる代わる診察し、それぞれ気持ちが病んでいるとの所見を発表。それによって朝青龍はモンゴルへの帰国が許され、家族が経営するリゾートホテルで療養に努めている。
…テレビがこの問題を取り上げない日はない昨今、今さら説明の必要もあるまいが、以上が一連の「朝青龍騒動」のあらましだ。
青龍の陰に隠れてしまったが、週間現代がしつこく報じてきた白鵬の八百長(というか宮城野親方による八百長工作)問題もかなり信憑性が高い。八百長を告発した「もと親方の愛人」と宮城野親方の会話は、週刊現代のホームページで聞くことができる。これほど明確に八百長を指摘されながら、親方や相撲協会が法的措置に出ないのは、やはりどこかやましい所があるからではないだろうか?と勘ぐりたくもなる。
この騒動で初めて気づいたが、白鵬の対戦相手に八百長を持ちかけた「宮城野親方」は、私の知っている宮城野親方ではなかった。白鵬を発掘して育てた先代(もと竹葉山)は、平成16年に熊ヶ谷を襲名し、宮城野の部屋付き親方に降格していた。現在の宮城野親方は、かつて金親というシコ名で相撲を取っていた人だ。ピンと来ない方もいるだろうが無理もない。金親は十両止まり。星取りクイズには一度も登場していないのだから。
挿絵と文章は関係ありません
選手が必ずしも名伯楽になれるとは限らない。だが幕内にさえ上がったことのない親方が、横綱を指導するのはさぞかし大変だろう。大関まで上がった高砂親方(もと朝潮)でさえ、「横綱の重責とプレッシャーは、横綱になった者でないと解るまい」と公言し、朝青龍の指導に腰が引けている。
稽古をつけてもらった先輩力士を、本番の土俵で負かすことを、角界では「恩返しをする」と言う。べつに皮肉ではない。自分をそれだけ鍛えてくれた先人への謙虚で真摯な気持ちをそのまま言葉に表したものだと思う。同じように、弟子が親方の地位を上回ることも立派な「恩返し」と言えるだろう。だが、それにしても、金親が白鵬の親方であることは、いまいち違和感が拭えない。もと十両力士が横綱に指導していることもそうだが、一門ですらない北の湖部屋の力士が引退して、部屋の長に収まっているところに無理がある。白鵬は、親方が裏で奔走しなくても横綱になる力を持っている。そんな白鵬の前途を、金親が汚してしまったように思えてならない。
撲協会は昨年9月に、部屋持ち親方になれるハードルを高くした。つまり
  @横綱か大関になった者
  A三役を25場所以上務めた者
  B幕内を60場所以上務めた者
でなければ自分の部屋が持てなくなったのだ。この規定を現役力士にあてはめると、横綱・大関以外で部屋が持てるのは土佐ノ海、若の里、玉春日、栃乃洋の4人しか居なくなる。賛否両論あるだろが、私は妥当な線のように思える。
(2007/10/01)
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